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文芸誌『暁烏』、フリーペーパー『創星』の製作・配布情報など☆
一路真実です。
平成30年12月29日(土)に毎年恒例の
星屑書房忘年会を開催しました。
ご参加いただいたみなさん、
どうもありがとうございました。
また、日程が合わなかった方々もいらっしゃったので
申し訳ありませんでした。。

今年の1次会はおしゃれなイタリアンレストランで、
その後は、1次会で話に出たアリスの雑貨が置いてある店を
見に行ってみようということになり、
(小さなドアがたくさんあってかわいらしかったです)
向かいのお店で2次会という流れでした。

毎年、「忘年会で初めて顔合わせした~」というメンバーもいるので、
自己紹介をかねて、今年の総括と来年の目標みたいな話を
一人ずつ言っていただいています。

今年は10周年という記念すべき年であり、
創星の記念号を頒布したり、
私としても個人誌を出したりと
いろいろなことに挑戦できた年でした。

来年の運営方針について忘年会でみんなに相談して
固まったので、来られなかったメンバーに発表した後に
またブログでもお知らせしようと思っています。

メンバーの目標を聞いていて、
各人の創作活動が発展しそうだなと思いました。
来年もとても楽しみです。

また、忘年会で私が一番感動したことは、
いつも創星にクラシック評を載せてくれている
天沼太郎さんが、
今年の「ジルベスタ-コンサート」のパンフレットの
曲目解説を書いたということです!
星屑書房を通じてスタッフの方と知り合いになり、
天沼さんの文章が多くのクラシック好きな方の目に触れる
立派なパンフレットに掲載されるに至ったというのが、
私は本当にうれしかったです。
星屑書房が、創作活動や文化・芸術に親しんでいる方々を
つなぐ場として機能しているんだなぁと感慨深かったです。

今後もいろいろな人が出会う場になるといいですね。
また来年もよろしくお願いします!


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一路真実です。

小説ゼミに参加してくださっているヨシダさんから、
個人誌の感想をブログに書いていただきました。

「自然に見守られて、生きるということ/親島の鼓動 一路真実」

本当に丁寧に感想を書いていただいていますので、
ぜひお読みください。

小説ゼミにも触れていただいて、うれしい限り…!

私は本当に漠然と、自然と人間との関係を書いていたので、
ヨシダさんが指摘してくださったとおり、
アニミズムという宗教的なところから、
家族という「心の拠り所」を描いていたんだなと
改めて教えてもらった感じでした。

同時に、各所で言っているのですが、
私の根本的な執筆テーマは「集団と個人」なので、
親島をあまりに神格化する祖母という登場人物を描くことで
アニミズムという自然信仰を絶対的なものにしないということ。
やっぱり自然信仰を主人公と母や姉という、個の関係に収束させる。
ある意味では私のいつもの書き方だな…ということも感じました。
政治や宗教などの大きな物語を書いているようで、
実は個人の物語であるという…。

ヨシダさんのブログを読んでいて、
私は折本で作った「Until then」という作品でも、
「辛いことは、自然が全部聞いていてくれるから」
というセリフを書いたなぁということも思い出して、
実はこうした自然信仰に結構関心があったんだと再認識しました。
もう少し丁寧に考えてもいいテーマだなと。

いろいろなことに気づかせてもらいました。
ありがとうございました!

いちろまみ

一路真実です。
平成29年12月29日(金)、毎年恒例の忘年会を開催しました。
今年は新メンバーを含む、8名の参加でした。
昨年の反省より、今年は早めにお店を予約して
おしゃれな個室でゆっくりまったりできました。
2次会では、創星を置いてくださっているバー
Ambientさんにお邪魔しました。
すごく素敵なバーで大満足でした。
コーヒーもおいしかった!

来年は星屑書房も10周年ということで、
記念の年です。
メンバーは各自が頑張っていることがあるので、
組織体としてはゆるゆるとした感じでやってきたら、
なんと10年続いていたという感じですが、
本当に素敵なメンバーが集まってくれてありがたいです。

追っかけ兼顧問が、重ねておっしゃってくれましたが、
創星はいろいろなジャンルの作品が一冊にまとまっているところがいいと。
個性的な面々が、それぞれ自分自身と向き合い、
創作に取り組んで、最高の作品を見せてくれている
というふうに私も感じています。
表現の場としていつでもそこにあり続け、
無理せずに長く続けていけるといいなぁと思っています。
また来年もよろしくお願いします!

一路真実です。

大切なことをずっと書いていなかったと気づきました。
もっと早く公式にコメントを出すべきだったと思い立ちました。

一緒に星屑書房を立ち上げた、
竹中優子さんが第62回角川短歌賞を受賞しました!
おめでとう!!

2008年に、もともと東京にいた二人が福岡で出会い、
福岡で文化系な人に出会わないねぇ・・・という話から、
文化系な人が集まり、コンスタントに表現活動を続けていくことを
目的にスタートしたのが星屑書房でした。

最初に、「職場の人にばれたら恥ずかしいからペンネームを使う」と言ったのは
竹中さんだったけど、
いつの間にか竹中さんが本名に変え、
本名で活動しようと考えていた私は、そのままペンネームで定着してしまいました。
私が初めて『群像』に名前が載ったときに、
「いつか新人賞をとってデビューしても、創星に寄稿してね」と言ったのは
竹中さんだったけど、
先に竹中さんが新人賞をとってしまって、本当にうれしかった半面、
越された~という気持ちでもありました。
そのことを思い出すと、ああそういえばあのとき、
竹中さんはわざわざ名前しか掲載されていない群像を買ってくれたんだったと思い出して、
私も早く竹中さんの短歌が掲載された雑誌を買わないと、と思いました。

今後は、グループでの活動があまりできないということなので、
竹中さんは星屑書房から卒業ということになりました。
(実はAKB制だった。笑)
これからますます、短歌の世界で活躍していくことを願っています。

最後に、創星10号を出すときに、
竹中さん(当時は鳩山さん)が
「これまでの星屑書房のことを書く」と言ったので、
私も用意した文章がありました。
結局、対談とメンバー紹介の企画になったので発表しなかったのですが、
良い機会なので、ここに載せておこうと思います。
長いですが、よかったら読んでください。


******



十号創刊記念


 星を探す仮説、そして証明と公式


一路 真実


 


 創星がついに十号を数えることとなった。十号とはいえ、何か区切りがついて新しいものになるわけではなく、何か変わるということもない。特にまとめを書く予定はなく、いつものとおり新作の小説が書ければいいやと思っていたのであるが、鳩山氏がこれまでを振り返る文章を書くと言ったので、では自分も何か寄稿しようという気になった。しかし、星屑書房のこれまでのことは、きっと鳩山氏が書いてくれるだろうと期待して、私は自分勝手に私自身のことを書こうと思う。


 思えば、集団の存続ということについて、私はひどく無関心な人間であった。例えば学生時代、さまざまな部活動に出入りした挙句、先生や先輩と仲良くなって集団の中心にいた割に勝手に辞めてしまう。でも、卒業アルバムには堂々と真ん中で部員のような顔をして写っている。学生時代だけでなく社会人になってからも、そんな人間だった。


集団と個・アイデンティティのことを作品のテーマにすることも多く、何らかのコンプレックスをずっと抱え続けているのだろうと思う。だから、星屑書房を私が続けられたのは、集団に固執しないゆるいネットワークだったからなのではないかと思っている。つまり、当たり前かもしれないけれど、誰一人として創星に作品を掲載したことをゴールだなどと思っておらず、それぞれが自分の個人的な活動を重視し、個々の目的に従って定期的に創星で作品を発表し、また自分の持ち場に戻っていく。こうした流動的で自由な組織だからこそ、集団が存続したのではないかと思う。


 さて、「なぜ自分が文章を書くのか」ということについて、文章を書く人は何度も考えたことがあるだろう。私もなぜ小説を書くのかということについて、一つの回答を持っている。だが、しばしば冗談のように「ぴったんこカン☆カンに出たいから」という言葉で表現することがある。それほど見ている番組ではないが、唯一記憶に残っている回が、丸山弁護士が安住アナと早稲田界隈を歩き、学生時代に住んでいた家やよく通った飲食店などを訪れ、思い出を語るというものであった。有名になってこれをやりたい。誰かが自分のことを分析したくなるような、そんな人間になりたい、と思ったのだった。


それは大きな目標であるが、そもそも自分が分析好きということもある。恋人の(あるいはそうでない人でも)昔住んでいた家や通った学校を案内してもらうことがある。そうして、新潟や仙台にまで行った。その人の過去を共有することが好きなのだ。今の自分では決して一緒に歩めない、相手の過去の時間の中に、少しだけいられる瞬間。その場所の空気が相手を作る。そこに緩やかな集団と個の形成を見る。


 私にとって、創星は数学で言う証明であり、星屑書房は証明を終了に導く公式だと思っている。それぞれのメンバーがその公式を使って、あらゆる角度から証明に取り組む。生きていることの仮説と証明に。


とある本に、三十年で世代が入れ替わると書いてあった。すると、私もちょうどひと世代を終えたことになるが、自分が今のようになるとは全く想像していなかった。自分だけでなく周りも含め、大きく変化してしまった。なぜ世界は私に難題を持ちかけるのか? 自分や世界がどういう仕組みなのか。さっぱり分からなくなった。


しかし、だからこそ、私は文章を書いている。多くの絡まった疑問を少しでもひも解くために。誰かから少しでも自分を理解してもらうために。世界から疑問はなくならない。だからこそ、これからもずっと証明も公式もなくならないだろうと思っている。


(おわり)





一路真実です。

平成27年度福岡市市民文芸の、
小説短編部門で大賞、
超短編部門で西日本新聞社賞を受賞しました。
『文芸福岡』4号に全文掲載されています。
博多だと丸善・紀伊国屋書店で、
天神だと金文堂で販売されます。

昨年は、竹中さんが短歌部門で大賞を受賞した賞なんですが、
実は竹中さんが受賞するまで名前すら知りませんでした。
竹中さんから、
「小さい賞でも、賞をとるっていうのが大事なんだよ」
と言われて、
自分は中央の大きな賞ばかりに出していたので、
なるほど!とばかりに応募したのでした。

確かに、こうして冊子になり、
作家の方から選評をいただいて、
初めてのことでとてもうれしかったです。
竹中さんが言っていたのは本当だったなぁと思いました。
どんなに文芸誌に名前が載っても、
作品が賞を受けて活字にならない限り
報われないというか。
今後も、作品を書き続けて、
専業小説家になれるように
頑張りたいと思います。

ありがとうございました。