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文芸誌『暁烏』、フリーペーパー『創星』の製作・配布情報など☆
一路真実です。

大切なことをずっと書いていなかったと気づきました。
もっと早く公式にコメントを出すべきだったと思い立ちました。

一緒に星屑書房を立ち上げた、
竹中優子さんが第62回角川短歌賞を受賞しました!
おめでとう!!

2008年に、もともと東京にいた二人が福岡で出会い、
福岡で文化系な人に出会わないねぇ・・・という話から、
文化系な人が集まり、コンスタントに表現活動を続けていくことを
目的にスタートしたのが星屑書房でした。

最初に、「職場の人にばれたら恥ずかしいからペンネームを使う」と言ったのは
竹中さんだったけど、
いつの間にか竹中さんが本名に変え、
本名で活動しようと考えていた私は、そのままペンネームで定着してしまいました。
私が初めて『群像』に名前が載ったときに、
「いつか新人賞をとってデビューしても、創星に寄稿してね」と言ったのは
竹中さんだったけど、
先に竹中さんが新人賞をとってしまって、本当にうれしかった半面、
越された~という気持ちでもありました。
そのことを思い出すと、ああそういえばあのとき、
竹中さんはわざわざ名前しか掲載されていない群像を買ってくれたんだったと思い出して、
私も早く竹中さんの短歌が掲載された雑誌を買わないと、と思いました。

今後は、グループでの活動があまりできないということなので、
竹中さんは星屑書房から卒業ということになりました。
(実はAKB制だった。笑)
これからますます、短歌の世界で活躍していくことを願っています。

最後に、創星10号を出すときに、
竹中さん(当時は鳩山さん)が
「これまでの星屑書房のことを書く」と言ったので、
私も用意した文章がありました。
結局、対談とメンバー紹介の企画になったので発表しなかったのですが、
良い機会なので、ここに載せておこうと思います。
長いですが、よかったら読んでください。


******



十号創刊記念


 星を探す仮説、そして証明と公式


一路 真実


 


 創星がついに十号を数えることとなった。十号とはいえ、何か区切りがついて新しいものになるわけではなく、何か変わるということもない。特にまとめを書く予定はなく、いつものとおり新作の小説が書ければいいやと思っていたのであるが、鳩山氏がこれまでを振り返る文章を書くと言ったので、では自分も何か寄稿しようという気になった。しかし、星屑書房のこれまでのことは、きっと鳩山氏が書いてくれるだろうと期待して、私は自分勝手に私自身のことを書こうと思う。


 思えば、集団の存続ということについて、私はひどく無関心な人間であった。例えば学生時代、さまざまな部活動に出入りした挙句、先生や先輩と仲良くなって集団の中心にいた割に勝手に辞めてしまう。でも、卒業アルバムには堂々と真ん中で部員のような顔をして写っている。学生時代だけでなく社会人になってからも、そんな人間だった。


集団と個・アイデンティティのことを作品のテーマにすることも多く、何らかのコンプレックスをずっと抱え続けているのだろうと思う。だから、星屑書房を私が続けられたのは、集団に固執しないゆるいネットワークだったからなのではないかと思っている。つまり、当たり前かもしれないけれど、誰一人として創星に作品を掲載したことをゴールだなどと思っておらず、それぞれが自分の個人的な活動を重視し、個々の目的に従って定期的に創星で作品を発表し、また自分の持ち場に戻っていく。こうした流動的で自由な組織だからこそ、集団が存続したのではないかと思う。


 さて、「なぜ自分が文章を書くのか」ということについて、文章を書く人は何度も考えたことがあるだろう。私もなぜ小説を書くのかということについて、一つの回答を持っている。だが、しばしば冗談のように「ぴったんこカン☆カンに出たいから」という言葉で表現することがある。それほど見ている番組ではないが、唯一記憶に残っている回が、丸山弁護士が安住アナと早稲田界隈を歩き、学生時代に住んでいた家やよく通った飲食店などを訪れ、思い出を語るというものであった。有名になってこれをやりたい。誰かが自分のことを分析したくなるような、そんな人間になりたい、と思ったのだった。


それは大きな目標であるが、そもそも自分が分析好きということもある。恋人の(あるいはそうでない人でも)昔住んでいた家や通った学校を案内してもらうことがある。そうして、新潟や仙台にまで行った。その人の過去を共有することが好きなのだ。今の自分では決して一緒に歩めない、相手の過去の時間の中に、少しだけいられる瞬間。その場所の空気が相手を作る。そこに緩やかな集団と個の形成を見る。


 私にとって、創星は数学で言う証明であり、星屑書房は証明を終了に導く公式だと思っている。それぞれのメンバーがその公式を使って、あらゆる角度から証明に取り組む。生きていることの仮説と証明に。


とある本に、三十年で世代が入れ替わると書いてあった。すると、私もちょうどひと世代を終えたことになるが、自分が今のようになるとは全く想像していなかった。自分だけでなく周りも含め、大きく変化してしまった。なぜ世界は私に難題を持ちかけるのか? 自分や世界がどういう仕組みなのか。さっぱり分からなくなった。


しかし、だからこそ、私は文章を書いている。多くの絡まった疑問を少しでもひも解くために。誰かから少しでも自分を理解してもらうために。世界から疑問はなくならない。だからこそ、これからもずっと証明も公式もなくならないだろうと思っている。


(おわり)




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